漆喰とはどんな素材?漆喰のメリットなどご紹介!
2019.10.05
漆喰に憧れているけど、実はどんな素材なのかよく知らないというお声をよくいただきます。漆喰と言うとお城の壁に塗られているもので身近な素材ではないとイメージされている方も多いかもしれません。では、漆喰とは一体どんなもので私たちの生活にどんな良いことがあるのかご紹介します。
目次
1.漆喰とは?
2.漆喰のメリット
3.性能だけじゃない!漆喰の意匠性
4.お手入れ簡単!漆喰のメンテナンス方法
5.漆喰ってこんなに良いものなのに、どうして普及しないの?
6.まとめ
漆喰は石灰岩や貝殻から作られる「消石灰」という粉と「スサ」という植物繊維、「ぎんなん草」という海藻で出来たのりなどを混ぜて固めたものです。漆喰は口に入れても安全な自然素材です。
嫌な匂いを分解!優れた消臭効果
漆喰には「消臭効果」があります。漆喰がなぜ消臭効果を発揮するのかと言うと、多孔質と呼ばれる細かい穴が空いた構造、そしてアルカリ性であることがポイントです。多孔質が呼吸をすることにより酸性タイプの嫌な臭いをアルカリ性で中和し、臭いを消すと言われています。
そこに住んでいる人は気づいてなくても、外から来た他人が感じる『その家特有のにおい』、いわゆる「生活臭」も漆喰のおかげで消えてしまいます!
洗濯物を部屋干しした時の匂いや、トイレの匂いなども気になりません。
カビ・ダニを抑制!抗菌性能
漆喰はアルカリ性のため、有機物を分解する殺菌機能があります。主成分の消石灰の作用により、細菌の生育・増殖を抑え、様々なアレルギーを引き起こす原因となるカビやダニの発生を防止します。キレイな空気の中で暮らせたら気持ち良いですよね。
余談ですが近年、鳥インフルエンザの際に殺菌のためにまかれたのも漆喰と同じ石灰です。インフルエンザウィルスはアルカリに弱いので消毒に有効なんです。
火に強い!優れた耐火性能
漆喰はほとんど無機の不燃性の素材で構成されているため燃えにくい素材です。また、化学物質を含んでいないので、火災時の窒息の原因となるダイオキシンなどの有害ガスが発生することもありません。つまり昔の城や蔵などに漆喰が使われていたのは、大切な人・ものを火事から守ることができるからという理由があったのです。
漆喰はシックハウス症候群対策にも有効
漆喰には「化学物質を吸着分解」する効果があるんです!シックハウス症候群の原因といわれる揮発性有機化合物(トルエン、キシレン等)を吸着し分解します。
毎日長い時間を過ごすマイホームは気持ちのいい空気環境にしたいですよね。
漆喰壁には、仕上げのバリエーションが色々あるのも魅力の一つです。塗り方次第で多彩な表情を見せてくれるので、世界に一つしかない表情を楽しむことができます。
コテ仕上げ
コテで塗った跡を自然な形で残す仕上げ方で、最も標準的な塗り方です。
クシ引き仕上げ
クシを使用して、模様を付ける仕上げです。
扇仕上げ
コテで半円を描くようにパターンを付ける仕上げ方です。キレイな半円にするにはプロの技術が必要です。
記念の手形を残すことも!
漆喰壁だからこそ出来る、家づくりの記念。 それは、漆喰の壁にご家族の手形を入れることです。
家づくりの記念が残せるのも漆喰壁ならではの魅力です。
お部屋の壁に汚れやシミを作ってしまうことはよくあることです。自分で汚れを落とすことはできるの?と思われる方もいらっしゃると思います。
「漆喰壁についた汚れを落とす方法」についてご紹介します。漆喰壁は簡単に汚れを落とせるメンテナンスのラクな素材なんですよ。
こすり汚れなどの軽い汚れ
壁をこすってしまい、すり汚れがついてしまった場合は消しゴムで簡単に落とすことができます。力を入れずに軽くこすって消しましょう。力を入れ過ぎると、漆喰がこすれすぎてしまうことがあります。様子を見ながらゆっくり丁寧に行いましょう!
軽い汚れなら特別な補修用具を購入する必要がないので、気が付いた時に汚れを落とせます。
飲み物などをこぼしたシミ汚れ
コーヒーやジュース等を漆喰壁にこぼしてしまった時は、色素が染み込んでしまいます。そのような時は、付着物があれば除去して、塩素系漂白剤を綿棒などで塗布してください。
前述でご紹介したように漆喰にはたくさんのメリットがあげられます。漆喰はこんなに魅力的な壁材なのに、なぜ世間では漆喰の家があまり見かけられないのでしょうか。
手間と時間がかかる施工
漆喰は、現場で材料を調合し水で練って準備することや、周りを汚さないように塗る場所以外をきっちり養生する必要があるため、非常に手間がかかります。
ビニールクロスのようにただ接着剤などで貼っておしまいというわけにはいきません。工期も当然ビニールクロスと比較すると時間がかかってしまいます。
また、施工は職人の腕前に負うところが多く、人によって上手い下手が発生しやすいといったことも挙げられます。
さらに、ビニールクロスや新建材などの工業製品は生産性が高いため主流となり、漆喰はすっかり衰退してしまいました。つまり家のつくり手側の都合から敬遠されるようになったのです。
漆喰はあまり馴染みがない素材かもしれませんが、漆喰は住まう人の健康と、もしもの時の安全、家の長持ちに関わるとても素晴らしい素材なんです。そして壁は家の中でもっとも面積の広い部分ですよね。健康的な環境で安心して末永く暮らせる家には漆喰の壁はマストですよ!